パキフィツムは、メキシコの標高600~1,500メートルの高原に分布する多肉植物です。
ベンケイソウ科のなかでは比較的種類の少ない属で、10数種類の品種が存在します。
葉が白い粉に覆われ、薄ピンクや赤紫色に染まる品種もあり、様々な表情が楽しめます。
主な種類
月美人
桃美人
星美人
月花美人
コンパクツム
千代田の松
グラウクム
紫麗殿(シレイデン)
フーケリー
群雀
ヒアリウム
特徴
パキフィツムは、古代ギリシャの「パヒ=厚い」と「フィトン=植物」から由来し、「太った植物」という意味があります。名前の通りぷくっとした肉厚の葉をもち、円形や両端がツンとした紡錘型など、丸みを帯びた可愛らしい葉が特徴です。
メキシコの高原地域を原産地とし、日当たりと風通しの良い環境を好みます。湿気には弱いため、水のやりすぎなどに注意が必要です。
基本的には暑さに強い性質をもちますが、月美人、桃美人、星美人などの品種は暑さに弱いため、それぞれに合わせて管理をしましょう。
適した置き場所&育て方は
一年を通して、風通しの良い明るい場所で育てます。
日照不足になると葉の色が悪くなったり、茎だけが成長した間延びの状態になってしまうので、日当たりの良い場所に置いてください。
ぷくっとした肉厚の葉の中には、たっぷり水分を蓄えているため、水やりは少なめで大丈夫です。多肉植物用の水はけの良い土を選び、乾燥気味に保ちましょう。
葉の表面が白い粉で覆われている品種は、葉を直接手で触ったり、葉に水をかけてしまうと、白い粉が取れて見た目が悪くなってしまいます。
季節ごとの育て方
場所:風通しが良く直射日光のあたる場所で管理します。
水のやり方:土が乾いたら底穴から水が流れ出る程度にたっぷり与えましょう。やりすぎると枯れたり根腐れを起こしてしまうので、鉢の中までしっかり乾いてからにします。
肥料:基本的に肥料は必要ありませんが、化成肥料や薄めた液体肥料を月1回程度与えても良いでしょう。与えすぎは、間延びや葉が落ちてしまう原因になるので注意が必要です。
場所:風通しが良く明るい場所で育てますが、直射日光にはあたらないようにしましょう。葉焼けを起こして枯れる原因になるので、半日陰などを選んで置いてください。
水のやり方:暑い日中の水やりをさけ、夕方以降の涼しくなった時間帯に与えます。元気がない状態が続く場合は、水やりをやめて様子をみましょう。
場所:風通しが良く明るい場所に置き、9月末頃から徐々に直射日光をあててください。いきなり長時間あてると葉焼けを起こす場合があるので、場所を調整しながら慣らせていきます。冬が近づき気温が低くなってきたら、室内の明るい場所に移動しましょう。
水のやり方:土が乾いたら底穴から水が流れ出る程度にたっぷり与えますが、11月頃からは冬の休眠期に備え水やりの回数を減らしてください。
肥料:春と同様に、基本的に肥料は必要ありませんが、化成肥料や薄めた液体肥料を月1回程度与えても良いでしょう。
場所:寒さに弱いため、室内の明るい場所で育てましょう。室外では寒さで弱って枯れてしまう場合があります。
水のやり方:寒くなると休眠期に入るため、水やりの回数は他の季節よりも特に減らしてください。常に乾燥気味に管理するようにしましょう。
病気と害虫
病気
多湿や葉の腐りが原因で細菌が発生し、軟腐病(なんぷびょう)になる場合があります。水のやりすぎに注意し、枯れた葉を早めに取り除くなどの対策で防ぎましょう。
軟腐病になってしまった場合は、病気の部分を取り除き、茎の元気な部分を挿し芽で再生することが可能です。
害虫
アブラムシやカイガラムシなどの害虫が付きやすいので、発見したらすぐに駆除しましょう。数が少ない場合は、ピンセットなどで一つ一つ駆除し、数が多い場合は、市販の薬剤を散布して駆除します。
注意ポイント
パキフィツム属は寒さや多湿を嫌うので、風通しの良い明るい場所で管理しましょう。水の与えすぎは根腐れを起こしてしまうので、一年を通して乾燥気味に保ちます。特に冬場は水やりの回数を減らす必要があります。
日照不足になると、葉の色が悪くなったり、間延びや葉が落ちる原因になるため要注意です。夏場は直射日光があたらない半日陰に、冬場は明るい室内に置くなど季節や気温に合わせて場所を変えてあげましょう。
葉が白い粉で覆われている品種は、触ると粉が取れて指の形がついてしまう場合があります。また、水やりの際も水がかかると粉が取れて見栄えが悪くなってしまうので丁寧に扱いましょう。
パキフィツム属は、ポイントをおさえれば初心者の方でも育てやすい品種なのでおすすめです。
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