観葉植物 ヒレザンショウの特徴と育て方は?
ヒレザンショウは、沖縄などに自生しているサンショウで、光沢のある小さな葉が可愛らしい観葉植物です。
通常のサンショウと同様に実は香辛料として用いられており、葉からは柑橘系の良い香りがします。
+特徴
ヒレザンショウは、ミカン科サンショウ属の品種で、原産地は沖縄県や小笠原諸島、中国南部です。
名前の通り、山椒のようにピリッと辛い実をつけるため、香辛料として使用されています。
また、葉をちぎるとミカン科特有の柑橘系の香りを放つのが特徴です。
沖縄県など温暖な地域の岩場を中心に生息しており、光沢のある小さな葉は鑑賞用としても人気があるものの、希少性の高さから現在は絶滅危惧種に指定されています。
ヒレザンショウという名前は、山椒のような実と枝にひれのようなものを付けることに由来し、漢字では「鰭山椒」と書きます。
学名の「Zanthoxylum(サンショウ属)」は、ギリシャ語で「黄色の材」という意味があり、サンショウ属の植物が黄色の染料として用いられることに由来しているようです。
沖縄では、ヒレザンショウを「サンス」「センスルギー」「サンソーギー」など、方言で呼ぶことも珍しくありません。
30cm~2m程度まで成長するため、小さい株は盆栽のように仕立てたり、大きい株は庭木にして楽しむなど、さまざまな方法で親しまれています。
沖縄ではお刺身のツマとして用いられることもあるようです。
+育て方
一年を通して、風通しの良い明るい場所で管理しましょう。
耐寒性はあまりないので、冬場の管理には注意が必要です。
水はけの良い土を利用してください。
・春
風通しが良く、明るい場所で育てます。
耐陰性があるため室内でも育てられますが、日光をしっかりとあてた方が丈夫な株に育つため、窓際などの明るい場所を選ぶと良いでしょう。
水やりは土の表面が乾いたら、底穴から水が流れ出る程度にたっぷり与えましょう。
水やり後は、受け皿に水が溜まったままにならないように注意してください。
肥料は、春から秋にかけて盆栽用などの置き肥を施すのがおすすめです。
ただし、5月前後の開花時期には肥料を取り除くようにしましょう。
・夏
風通しが良く、明るい場所で育てます。
直射日光にも耐えられる強い性質を持つため、特別置き場所などを気にする必要はありません。
ただし、春に室内で管理していた鉢をいきなり室外へ出すと、環境の変化に耐えられない可能性があるため注意しましょう。
室内で育てる場合は明るい窓際に置き、冷房の風が直接あたらないようにしてください。
夏場も土が乾いたらたっぷりと水やりをしますが、日中の暑い時間帯に与えると鉢内が蒸れてしまうので、夕方以降の暑さが落ち着いた時間帯に与えてください。
・秋
風通しが良く、明るい場所で育てます。
春・夏と同様、明るい場所で管理してください。
冬が近づくにつれて気温が下がってくると休眠期に入るため、状態をみながら水やりの回数を徐々に減らしていきましょう。
・冬
風通しが良く、明るい場所で育てます。
耐寒性はあまり強くないため、最低気温が5度を下回るようであれば、室内で管理した方が安心でしょう。
室内で管理する場合は、暖房などの風が直接あたらない明るい場所に置くようにしてください。
休眠期にあたるので水やりは控えめに、土が完全に乾いてから数日開けて与えましょう。
たくさん与えると土が乾きづらくなるので、様子を見ながらにしてください。
肥料も必要ありません。
+病気と害虫
ヒレザンショウは、風通しの良い場所できちんと育てていれば、病害虫の心配がほとんどありません。
しかし、稀に害虫がつくこともあるため、発見したらピンセットなどですぐに駆除するようにしましょう。
+注意ポイント
ヒレザンショウは、耐寒性があまり強くありません。
温暖な地域であれば、一年を通して室外で管理できますが、最低気温が5度を下回るような地域の場合は、室内で管理するようにしてください。
さっと移動ができるように、鉢植えで育てるのがおすすめです。
耐陰性があるため室内でも問題なく育てられますが、週に数日は室外に出すようにすると良いでしょう。
しっかりと日光をあてた方が丈夫な株に育ち、葉の色つやもよくなります。
水やりは基本的に土の表面が乾いたらたっぷりと与えますが、冬場は休眠期で水をあまり必要としないため乾燥気味を保ってください。
+一般的な価格(販売価格)
ヒレザンショウはサイズによって価格は変わりますが、数千円程度はかかると思っておいた方が良いでしょう。
希少性が高く、園芸店やホームセンターなどで取り扱っていることは少ないため、インターネットなどで探すのがおすすめです。
希少性が高く、絶滅危惧種にも指定されているヒレザンショウ。
珍しい植物を育ててみたい方にはぴったりの品種なので、ぜひ育ててみてください。
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