バーミキュライトの使い方
「バーミキュライト」という園芸資材をご存じでしょうか?
植物を育てている方であれば、一度は名前を聞いたことがあるかと思います。
今回はバーミキュライトの性質や使い方などをご紹介します。
知っておくととても便利なバーミキュライト、ぜひ最後まで見てみてください。
バーミキュライトとは?
バーミキュライトとは、苦土蛭石(くどひるいし)という鉱物を原料として人工的に作られた土壌改良材です。
鉱物を高温で加熱してアコーディオン状に膨張させたものを、細かく砕いて作られています。採取される場所によって色が少し異なりますが、どれも光沢があり軽いという特徴があります。
農業や園芸などに使われているほか、使い捨てカイロや建築資材としても幅広く使われています。
出典:https://item.rakuten.co.jp/toholife/vermi100/
特徴または性質は?
バーミキュライトにはどんな性質があるのでしょうか。
ここでは6つの性質をご紹介します。
保水性・排水性が高い
バーミキュライトは、アコーディオン状に膨張させた鉱物を砕いて作られているため、それぞれの粒に隙間や穴がたくさんあいています。隙間には水がしっかりと入り、余分な水は穴から排水される構造になっているため、保水と排水のバランスがとれた優れた土です。
保温性が高い
バーミキュライトの隙間や穴には、水分だけでなく空気も含まれています。空気を多く含んでいると、土の中の温度変化を穏やかにしてくれるので、植物の根を暑さや寒さから守ることが可能です。
保肥力が高い
バーミキュライト自体に肥料の成分はありませんが、用土と肥料に混ぜることで保肥力の高い土を作ることができます。アンモニア態窒素とカリウムなどの成分を用いた肥料を保持する力が特に高いです。
pH(ペーハー)が中性
pHとは水素イオン濃度を表す単位で、バーミキュライトはpH6.0~7.0とほぼ中性です。極端な酸性でもアルカリ性でもないため、どの植物にも使いやすいという特徴があります。
軽い
バーミキュライトはよく使われる園芸用の土に比べて、10分の1程度の重さしかなくとても軽い土です。用土に混ぜて使うことで全体の重さを軽くできるため、ハンギングなどの鉢に使うと良いでしょう。
無菌
800度以上の高温で加熱して作られるため、無菌の清潔な状態で販売されています。無菌で病害虫などの心配が少ないため、種まきや挿し木の培養土として使うと良いでしょう。
使っているうちに菌は付いてしまうので、繰り返し使う場合は注意が必要です。
使い方は?
バーミキュライトはどのような使い方ができるのでしょうか。
4つのシーンに分けてみてみましょう。
土壌改良
バーミキュライトはメインの用土には向いていませんが、保水性・排水性・保肥力に優れているため土壌改良材に適しています。繰り返し使って古くなってしまった土や、水はけが悪くなってしまった土など、状態を改善させるために用土に混ぜて使うと良いでしょう。
種まき
種まきは細菌による影響を受けやすいので、無菌のバーミキュライトを使用すると安心です。保水性にも優れているため、効率よく発芽させることができます。小粒のバーミキュライトと赤玉土などを混ぜて使うのがおすすめです。
挿し木
挿し穂の切り口は細菌のダメージを受けやすいので、無菌のバーミキュライトがよく使用されます。種まきの際と同様に、小粒のバーミキュライトと赤玉土などを混ぜたものに挿し木をすると良いでしょう。
水耕栽培
室内で手軽にできることから人気の水耕栽培ですが、種や苗を支えるための土台としてバーミキュライトを使うのがおすすめです。無菌のため害虫などが付きづらく、室内でも安心して使うことができます。
安全性は?
かつて、バーミキュライトの原料である苦土蛭石は、アメリカのモンタナ州にあるリビー鉱山から採掘されていました。苦土蛭石とアスベストの鉱脈が近かったため、バーミキュライトにアスベストが混入しており大問題になったことがあります。
,現在、リビー鉱山は閉鎖され、製造されているバーミキュライトの多くはアフリカ産のものとなりました。日本では産地の表示義務がないため、どこで採掘されたものか知ることはできませんが、成分のチェックを経た安全性の高いものが販売されています。
入手方法は?
バーミキュライトは、園芸店やホームセンター、ネット通販などで入手できます。
また最近では、100円ショップなどでも取扱いがあるので、少量を使いたいという場合は利用してみると良いでしょう。
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